今なら




あの人は

「自分の気持ちが分からないんだ」

と言った


とても苦しそうに  しぼりだすように



今なら
あの時の あの人の気持ちが分かる








たくさんの思いこみにとらわれていたことが

自分の本質を表に出しきれていなかったことが

それゆえに  自分自身のことがきっと信頼できていなかったことが


「無」であることを怖がっていたように思う




私はあの人の
本質の光に惹かれていたのかもしれない



どんな思いこみがあろうと
その人の中にある光は変わらない



あの瞳を  今でもたまに思い出す