ひとり


ここにあのひとが
いたらいいのに




向こうから歩いてきて
お互いすごくビックリするだろうけれど
話しかけられるのか
分からなくなるだろうけれど

久しぶりだね、と
少しだけ声がきけたらいいのに




透明なガラスごしに
横にいてくれたらいいのに




いつも初夏のような心地がした
ゆるやかな風が流れて
永遠のような一瞬、がたくさんあった



一緒にいた時の あの空気感の中に
ほんの少しだけ 
今、いられたらいいのに