泣けばよかった


今の家をクリーニングしていた時、
学生時代失恋した時に自分の部屋で泣いている自分を思い出しました。

涙をおさえようと枕に顔をうずめて、
鼻の奥がつーんと苦しくて、
でも家族には知られないように
声をたてずに泣いた夜。





恋を失った時、当たり前だけど本当に苦しかった。
その時のオーラがもし見えたら、ハートのあたりにまさしくヒビが入っていたと思う(笑)


でもその次の日から、涙を流すことはなかった。友達に報告する時に目がうるむことはあっても。
そのことを、その時の自分を、申し訳なく思う。
ちゃんと悲しみきればよかった。もっと泣けばよかった。
別れるなんていやだ!急にそんなこと言わないでよ!ってもっとジタバタすればよかった(笑)


中途半端に悲しい思いを閉じこめて、
心の奥にしまってしまったから、
今でもまだ思い出すんだろうと思う。



そうやって閉じこめたエナジーは、中で勝手に発酵(笑)していく。
本来の悲しみより、さらに強いものになっていく。後悔、執着にも似た、別の苦しみ。



彼とはなんでそんなご縁だったんだろう。
なぜそれが「彼」だったんだろう。
分からないから、とにかくクリーニングを続けている。
冷静に今思い返しても、彼とは結婚するようなご縁ではなかったと思うし、
今の旦那さんを超える人には出会ったことはない。だから別れたことは私にとっては正解だった。その当時はそう思えなくても笑




彼は、私の心の中に、説明のつかない、表現できない思いとともに、まだ一緒にいる。
たくさんの学びをくれた、有難いご縁として。
いつか思い出さなくなることを、
密やかに願いながら。